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NPO法人尾道空き家再生プロジェクトNPO法人尾道空き家再生プロジェクト

尾道市土堂一丁目7-13 (商店街の「みやち」と海岸通りのセブンイレブンの間)

路地の家は、尾道の魅力の大規模を占める「坂」と「路地」のうちの「路地」の暮らしや風景、人間模様などを研究、発信するために、尾道空き家再生プロジェクトと東京工業大学真野研究室とで再生、活用している路地裏初の再生物件です。
商店街から海岸に抜ける南北の小路と漁師町である長細い東西の路地が交差する角地に位置し、路地の中の路地!とも言える木造2階建ての小さな建物は、昔ながらの風呂無しの極小住宅です。


*現在、「セトウチシューズ」さんが靴工房として活用してくれています!


建物のみどころ
・・・工事中・・・


エリアのみどころ
・・・工事中・・・


再生プロセス

2011年8月〜10月 路地エリア空き家調査
尾道の旧市街地の商店街から派生する小路【しょうじ】と呼ばれる路地裏にも、平地にも関わらず、斜面地と同じような空き家問題が生じていることに着目し、空き家の目視調査を東京工業大学の真野研究室とともに行ないました。
なるべく若い担い手たちに空洞化する中心市街地に興味を持ってもらい、マチナカ暮らしも主流にならないものかと考え、尾道の魅力である「坂」と「路地」を発信するため「サカ←→ロジ プロジェクト」と題して、路地にも拠点となる家をその中から探しました。

2011年10月 「路地の家」発見!
路地裏を中心とする空き家調査の結果、駅から2キロ圏内の平地にも200軒以上の空き家があるのではないかという結果が出ました。あくまでも目視調査での結果なので、実際には倉庫に使っていたり、年に数回だけ使っているものもあると思いますが、それらの空き家の状態が、斜面地のものとよく似ているものも多く、古いまま壊れたまま放置され、雨漏りやシロアリ害によって状態が非常に悪化している空き家や、荷物がぎっしりと詰まった状態で放置され、何の活用法も見いだされていない空き家が目につきました。
その中で、候補物件を何軒かピックアップして大家さんと交渉し、路地と路地の交差点に位置する一軒の小さな木造住宅を快く貸してもらえることになりました。色んな名前を考えましたが、やはり「路地の家」が一番しっくりくるという結論にいたりました。


2011年11月 「路地の家」の再生
路地の家は、何年か前まで倉庫代わりに使われた後空き家になっていた物件で、家財道具などはほとんど残っていませんでしたが、玄関などのガラスが割れたり、建具が傾いたりとちょっと怪しげな状態でした。鉄板に覆われた土壁の土は落ち、大事な柱がシロアリにやられて、ほとんど朽ち果てて無くなっているような状態でした。畳もボロボロで、古い壁紙もところどころはがれていました。

まずは、本職の大工さんと左官さんに柱の根継ぎ工事をお願いし、構造をしゃんと立て直しました。設備屋さんに給排水工事をお願いし、キッチンの向きを変えました。玄関左の仕上げはもともとの青い鉄板で覆い返したので、あまり代わり映えしていませんが・・・

内装の仕上げは、空きPのメンバーと真野研究室の学生さんとDIY作業で行ないました。1階は古い壁紙を一部剥がし、木いちご色の黒板塗料を塗りました。古くて芯までボロボロの畳は処分し、ヨソから持ってきた畳を入れました。北の壁面は実は存在しておらず、隣の倉庫の外壁が路地の家の内壁も兼ねていたので、ヨソで余った断熱材を詰め込んで構造用合板で覆い、玄関から真正面の良く見えるその壁面にアートユニット「もうひとり」さんの海からの尾道の古いモノクロ写真を引き延ばした作品を制作してもらいました。以前あんまさんが住んでいたとのことで、レトロなオレンジ色のあんま器があり、まだ動くので、この家の記憶として、よく見えるところに設置しました。1階の封鎖されていた小窓を解放し、外から内部が少し見えるようになりました。
玄関横の土間にあるキッチンは、もともとあったものをペンキなどでリメイクし、向きを変えて設置し直しました。
2階も畳を中古のものと取り替え、北側の壁面をターコイズブルーの黒板塗料で塗りました。家財道具はもともとあったものを設置し直し、大学生の下宿をイメージした内装になりました。

2011年11月〜2012年3月 路地の家の発信
再生にも大きく関わった東京工業大学真野研究室の大学院2回生の「カピー」ことAくんが、居住者一代目として、卒業までの数ヶ月間を路地の家で過ごしました。滞在中に、路地裏の生活に触れ、地域の人と対話し、路地暮らしを体験し、交流&発信をしました。
路地の家ブログを開設し、路地の魅力を広く普及する活動をしました。
年末には、ご近所の北村商店のお豆腐で湯豆腐鍋を囲みました。お正月には、餅を焼いて食べながら、花札や麻雀をコタツを囲んで行ないました。

2012年4月〜8月 二代目へと交代
居住者二代目の「タロウ」ことKくんが埼玉から引っ越してきました。約4ヶ月間、お風呂のない路地の家の生活をエンジョイ?しました。9月からは、なんと金髪のKさんが住む予定です!

2012年8月15日〜17日 古武家賢太郎さんの「IGIRISU」開催
尾道では「やまねこカフェ」のマークで有名な作家さん古武家賢太郎さんが在住のロンドンからイギリスの「いいかんじのもの」を引き連れて、3日間限定で「IGIRISU」というイベントを開催してくれました。アンティークの小物や挿絵のかわいい絵本がずらり!なぜかアチャラものを並べてもしっくりくる「路地の家」でした。

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2012年8月18日〜9月2日 「OPEN STUDIO」にて真野研究室が「出張!真野研」開催
一代目のAくんの後輩たちが、「OPEN STUDIO」の期間中、展示やワークショップを路地の家で行ないました。

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