歴史あるお寺や神社、坂道と海が織りなす美しい風景…… でも尾道の魅力はそれだけではありません。これまであまり注目されてこなかった住宅や事務所、銀行建築や土蔵など、尾道の賑わいをいまに伝えるきらっと光る建築たちがこの町にはたくさんあります。身近な建造物にも興味を持ってもらい、尾道の建築に対する理解を広げたい。また、昔の技法や職人の技などを実際目にすることにより、現代の日本建築が失いつつあるものを再認識し、技術の継承を提唱し、これからの尾道の家づくりについても考えるきっかけをつくりたいと考えています。「尾道建築塾」はその思いを形にするべく「尾道空き家再生プロジェクト」が一般の方を対象に開いているセミナーです。尾道の町並みを専門家とともに散策したり、ユニークな建物を訪問見学する「たてもの探訪編」と、再生現場で実際の作業を体験する「再生現場編」を開催しています。随時告知を行い参加者を募集しています。各回内容に応じて定員があります。
尾道建築塾 たてもの探訪編2023 更新日:23年04月21日
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毎年開催しているまち歩きを今年もエリアを変えながら2回コースで開催します。
尾道独特の建築や町並み、再生事例、そして、過去あったはずの建築にも遡りながら、専門家がご案内します。

日時:①「失建築 2 〜駅前から山手へ〜」コース
     (講師:尾道市立大学美術学科教授 小野 環、東京工業大学准教授 真野洋介)
    5月21日(日)14:00~16:00 尾道駅前集合(南口)

   ②「モダン、ハイカラ!尾道に残る近代建築を見る」コース
     (講師:尾道大学非常勤講師 渡邉義孝)
    6月25日(日)14:00~16:00 長江口大型バス駐車場(公衆トイレ横)集合

参加費:各回一般1000円(資料代含む) 
    *限定各回20名(要予約)

予約・問合せ:電話 080 6323 9921 
        メール mail@onomichisaisei.com
        *予約時に、住所・氏名・電話番号お知らせください

主催:NPO法人 尾道空き家再生プロジェクト
協力:LOG、竹原和秀(広島工業大学)
助成:公益財団法人 福武財団、(一社)中国建設弘済会


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<コースと講師紹介>

①「失建築 2 〜駅前から山手へ〜」

ある時代には街の顔であったにもかかわらず失われていった建築は無数にあります。街は代謝してい きますので当然のことですが、中には今なお人々の記憶人々の中に残されているものや建築的に非常 に魅力的であったものも少なからずありました。今回はそのような建築群の跡地を尾道駅より巡りま す。海岸通りや商店街エリアを歩き、山手に上がり、最後は LOG で解散します。

講師:小野 環
北海道函館市出身。尾道市立大学美術学科教授。専門は絵画・インスタレーション。2001 年 より尾道を拠点に活動。2006 年よりアーティストユニット「もうひとり」として活動。 2007 年より AIR Onomichi 主宰。2021 年第 24 回岡本太郎現代芸術賞特別賞を受賞。主な 展覧会に、「VOCA」(上野の森美術館、2004)、「複数形の世界のはじまりに」(東京都美術館、 2018)、「Re-edit 再編」(個展、光明寺會舘、2022)。

講師:真野 洋介
岡山県倉敷市出身。東京工業大学環境・社会理工学院准教授、尾道市立大学大学院美術研究
科 非 常 勤 講 師 。専 門 は 都 市 の 再 生 と ま ち づ く り 。主 な 再 生 プ ロ ジ ェ ク ト と し て「 C O M I C H I 石 巻 」 (宮城県石巻市、2015)、「博労町まちかどサロン」(富山県高岡市、2018)、「サカサカ」(富 山県高岡市、2022)。主な著書に「まちのゲストハウス考」(学芸出版社、2017)、「復興まちづくりの時代」(建築資料研究社、2006)。



②「モダン、ハイカラ!尾道に残る近代建築を見る」コース
 
古くからの歴史を誇る尾道、そんな町並みの中にあってキラリと光るモダンでハイカラ な洋館たち。大正~昭和初期の息吹を伝える近代建築をピックアップして探訪します。 旅館のはなれ、住宅の一室、そして斜面に同化したような不思議なとんがり屋根。アーケー ドの中にも洋風店舗が残っています。そして明治期の銀行建築「旧住友銀行尾道支店」 も見逃せません。近代和風も含めた建築デザインの名称、こだわりのディテールなども しっかり学びます。港町尾道の進取の気性を今に伝える洋館の旅へ、ご一緒に。

講師:渡邉 義孝
1966 年生まれ。一級建築士。風組・渡邉設計室代表。尾道市立大学非常勤講師。尾道空き家再生プロジェ クト理事として空き家バンクや文化財調査を担当。住宅設計、民家再生、文化財調査等の業務のかた わら、台湾、コーカサスなどユーラシア各地の伝統的建築のフィールドワークを続ける。著書に『風をたべた日々』『台湾日式建築紀行』『台南日式建築紀行』、共著に『セルフビルド 家をつくる自由』など。
©2008 尾道空き家再生プロジェクト